雨のち いずれ晴れ

ホントは寂しがりやのシングルファザーが叫ぶ! 誰かに届け!誰かに響け!!

二十歳になるまで、子供を育ててみた

 

21歳で結婚し第一子が誕生してから20年が経ちました。でき婚でした。

現在僕は41歳。若い父親です。

 

 

遊びたい盛りの時期に家庭を持ちました。

様々な誘惑が目の前にチラつくのを振り払い、仕事と父親と旦那を務める日々でした。

 

友達連中がハイスタやモー娘のライブに行っているさなか、僕は息子とアンパンマンや仮面ライダーのライブに行きました。

 

友達連中が合コンで盛り上がり寝不足になっているさなか、僕は夜泣きをする息子を妻と一緒にあやし寝不足になっていました。

 

苦労を語ればキリがなく、今振り返ると、自分の心が幼いゆえに子供が子供を育てているような感じでした。

 

当時の僕は息子が可愛いのかどうかも分かっていませんでした。

 

遊びまわっている友達を羨ましく思い、夕日を眺めて涙したこともありました。

 

 

保育園に行くと、父兄はみな年上過ぎて、馴染むこともできませんでした。

息子のクラスメイトからは、「どうして〇〇君のお父さんは、お兄さんなの?」と言われたことが、いまだに思い出されます。

 

 

若いがゆえにお金も無く、息子に周りの子たちと同じものを買ってあげられない事もあり、心が痛い思いもしました。

 

 

共働きだった僕たちは、お互いの残業が重なることもしばしばで、小学校1年になった鍵っ子の息子を、遅くまで一人で家に留守番させてしまうこともありました。

待ち疲れソファーで眠っている息子を見て、申し訳なくて、可哀そうで、涙を流した事を今でも思い出します。

 

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そんな息子も元気に育ち、ある時には自転車のサドルに両足で立とうと試みて、大怪我をしたりと、無鉄砲ぶりは親譲りでした。

 

サッカー好きだった息子の希望を叶え、小学校3年生で地域で有名なクラブチームに入れました。

中学時代も同じクラブチームで過ごし、そのおかげもあり、高校もサッカーの強豪校に入学。

 

どのカテゴリーの指導者からも言われました。「彼は大器晩成型で、秘密兵器です」と。

 

その言葉通りに彼は、小学、中学、高校と、まともに試合に出ることもなく、最後まで秘密兵器を貫き、そしてそのまま本当の『秘密』で終わりました。

 

かなりの金額を彼に投資しました。

まぁ投資にリスクはつきものです。プロではなく、趣味としてでも生かしてくれればと思います。

 

そんな彼にも試練がきます。

高校三年で本当に「秘密」で終わった直ぐ後に、母親と離れてくらすことになりました。

そう、僕は離婚したのです。

 

若くして彼を産み、僕と一緒に苦楽を共にしてきた、戦友でした。彼女も同じ気持ちだったと思います。

 

しかし彼女には他にも戦友がいたのです。

 

 

 

母親を失いながら迎えた進路。

一生懸命に勉強し、希望の進路に合格しました。

なんだか、彼女ができた様子も感じられ、嬉しいやら心配やらでと、親としてまた成長させてくれる嬉しい場面もありました。

 

しかし、その学校も1年で自主退学することになったのです。

 

数年前に発病したらしい「社会性不安障害」という心の病気のため、他人との関わりに恐怖を覚え、まともな学校生活をおくることができなくなっていました。

 

そのことに僕は気づくこともなく、悩みに悩んだ挙句の真夜中の彼のカミングアウトで知りました。

 

それからはしばらくバイトをしながら、過ごしていた息子。

心配でしかたなかった。

名言があるじゃないですか。「働いたら負けだと思ってる」とか言うやつ。

 

 

そんな彼もこの春にやっと就職が決まりました。

 

 

僕はたしかに「でき婚」です。「授かり婚」です。少数派に属していると思います。

でもそのお蔭で、息子から貴重な経験を授けてもらいました。

普通では出来ない経験を。

 

 

息子が産まれてから、妻とずっと楽しみにしていたことがありました。

妻と二人で決めた未来への約束です。大変な日々の中での希望でした。

 

それは、息子が二十歳になったら、三人でお酒を飲みに行くということ。

 

今、戦友である妻はいません。残念なことですが。

 

しかし僕には息子がいます。目の前にいます。

次の週末に僕のお気に入りのお店で、初めて息子とお酒を飲みます。

 

21歳の時には、遥か向こうにあった約束の時間に、今僕はたどり着きました。

 

 

記事を書いていたら0時を回りました。

 

誕生日おめでとう!!!!

 

 

少しでも誰かの心に響けたら!!

最後まで読んでいただき、ありがとうございます。