とにかく生活を維持するためには金が必要だった。
子供が生まれて一歳にもならない時に失業した。
22歳にも満たない若造が社会に放り出された瞬間だった。
もし、背負うものがなかったら、学び直すために学生になってただろう。しかしそんな時間の投資をする余裕などなかった。次の給料が最後。子供にご飯を食べさせるためには金がいる。
そんなこともありながら僕はこれまで失業を二度味わった。
無事になんとか社会復帰できて今日がある。
書くと長くなるので細かいことは割愛するけど、1度だけ本物の人生の帰路に立ったことがある。
自分で会社を辞めたのだ。
このままじゃ自分がだめになる。そう思って考えに考えた揚げ句僕は会社を辞めた。38歳の冬だった。
いままでのキャリアを無しにして一から自分を作り直す覚悟だった。
そのぐらい僕は自分の人生に行き詰まっていた。
できる限りの方法で自分と向き合った。
自分には何が出来るのだろう。何が得意で何が苦手なのだろう。この中から、何が現実的に稼げる手段なのだろう。結局出てきた答えは、これまでのキャリアを生かすことだった。
でも今なら別の考えができる。一人の人間の可能性を最大限に生かすためには、『情熱』が大切であることを知ったから。寝食を忘れるほどの仕事を見つけられたのならもうそれは成功を掴んだ事とかわらない。
見つけるコツがある。
もし、全ての事が可能なら、何をするのか?
時間や収入とか現実的なことは抜きにして、何のしがらみもない状態なら、どの職業を選ぶのか。
貴方なら何を選びますか?