雨のち いずれ晴れ

ホントは寂しがりやのシングルファザーが叫ぶ! 誰かに届け!誰かに響け!!

初恋で学んだこと 

小学校5年生に初恋をした。

逆上がりより。かけっこの一番をとることより。

ビックリマンシールより、大切な物が見つかった。

 

その恋は高校2年生まで続いた。

ずっと片思いだった。

僕はその恋で、学んだ。

そのことは今でも心に刻まれている。

 

 

 

幼かった僕が、気づいたら恋に落ちていた。

小5の僕はそれが「恋」だとも知らずに・・・・・

 

クラスの女子の輪の中でひときわ輝いてた彼女。

気づくと目が離せなくなってた。

とにかく関わりたかった。とにかく近くにいたかった。

 

僕は努力した。少しでも関わりたくて。

 

通学途中の交差点が彼女との一日の接点の始まり。

その交差点の通過時間に合うように時間調整をして家を出るようにした。

見事に出会えたらな、朝の挨拶をしながらたわいもない会話ができる。

 

 

 

「恋」だと自覚したのは中学の初めのころ。

これまでは気にもとめなかった空が、星が、季節の香りが、風の強さが、草花の彩が、とにかく切なくて。

 

気づくと、ずっと祈って願った。気持ちが届くようにと。

 

そのころの彼女は変わらず輝いていて、眩しかった。

普段の何気なしに交わす会話が嬉しかった。そして切なかった・・・・

 

彼女は僕の気持ちに気づいていない

 

 

 

一回目の告白は見事に砕けた・・・・

まれにみる偶然が重なった放課後の教室で。

蝉の声が耳障りな夏の夕方。

湿度の高い空気、生ぬるくゆっくり流れる気流、吹奏楽部の練習の音。

それだけで体全体をゆらす自分の鼓動。

 

思い出すだけで、今でも甘酸っぱい気持ちになる。

 

 

その後も続く自宅での長電話。

なぜなのか迷惑なそぶりも見せずに電話にでてくれる彼女。

部活の話、テストの話、クラスメイトの話。通話時間はあっという間に過ぎていく。

チャンスあり!って思ってた。

 

努力は人を裏切らない

先生もそう教えてくれる。

 

小さな努力も積み重なれば山になる。

思いはテレパシーとなって、彼女の心に積もってく。

 

部活帰りに遠回する帰り道。

彼女の家を遠くから見つめて、自宅から見える満月に、北斗七星に、オリオン座に、とにかく祈った。願った。

 

日々の学校生活も、毎日が新しくて、ドキドキで。

どこにチャンスが落ちてるかわからないから。彼女の気持ちが変わる瞬間が。

 

 

中学の卒業式。

普段の感じのままに二人だけで撮った写真。

所詮お互い地元の高校。「じゃあまたね」が自然すぎる卒業言葉。

 

 

高校は別々。

彼女は女子高。僕は男子校。地元の高校らしく「姉妹校」として有名だった。

彼女はソフトボール部。僕は野球部。

 

数日おきの電話は続いてて、それが徐々に間隔があいてきて。

 

それでも、たまにかけたり、かかってきたりの長電話が嬉しくて。

 

自主練習の帰宅後のランニング。

彼女の家が遠くに見える道路沿い。

彼女の家に向き直り、祈る自分が滑稽で。

 

足早に過ぎる日々の中で、重ねてきた時間。

不安だけだったのが、小さな自信の芽を見つけ、その芽を育てながら、わずかな確信を自分の中で感じ始めるようになった時。

 

高校二年の初頭、二度目は電話での告白。

 

完全に砕け散った。

 

全てが「無」になった。

自分の考えうる努力は全て尽くした。

 

この時僕は悟った。学んだ。

 

人の心は努力では変えられない

好きな人がいるそうだ。

 

 

当時聞いていた流行の歌。

今ではセピア色の思い出ソング。

 

運転中のラジオから流れる曲にドッキ!とする自分。

 

 

あの恋は今でも僕を当時に引き戻してくれる。

生きいきと頑張ってた僕。キラキラした毎日。

涙が出るほどの「懐かしさ」が、いかに今の自分が大人になりきってしまったのかを感じさせて、それこそ泣きたくなる。

 

 

ふと思った。

小5の僕は彼女の何に引かれたのか。何に焚きつけられたのか。

簡単に思い出すことができた。

あの時の彼女の事を忘れるわけが無い。

 

 

明るくて、優しくて、何より発育が良かった

 

 

少しでも誰かの心に響けたら!!

最後まで読んでいただき、ありがとうございます。