雨のち いずれ晴れ

ホントは寂しがりやのシングルファザーが叫ぶ! 誰かに届け!誰かに響け!!

【川反 ベンチ 出会い】「待ち合わせですか?」へ向かう葛藤

僕は基本的に、飲み会の誘いを断らない。

当日でもいい。時間も何時でも構わない。

僕はそういうスタイルで生きてる。

だって独身だからね。

 

 

 

毎日仕事に行って、マラソンのトレーニングをして、プロテイン飲んで、体重と体脂肪率記録して、家事して、洗濯して寝る。

単調な、平滑な生活の少し波立った部分を抽出すると、こんな感じ。

 

ドラマのような、とっぴな出来事なんて、普通に生きてると起きない。

本当はこの平滑な波風の少ないことが幸せだったりするんだろうけど、それを求めて離婚したんだけど、人間って怖い。

この『平和』に飽きてくる。

 

けっしてトラブルを求めてるわけじゃないけど、平滑な日々は物足りない。

 

 

病気の類ではないけれど、僕らは多少なりとも病んでいる。

一見幸せそうに見える人だって、過去の出来事を引きずっていたり、現在に何かを抱えていたり。

100%の幸せなんて、どこにも存在しない。

 

みんな、綺麗な服を着て、化粧して、無意識にホントの自分を隠してる。

人にはいろんな事情ってものがあって、なんかちょっぴり寂しくて。

 

そんなことなんて、もうとっくに理解できてるはずなのに、インスタに映し出されるリア充な人たちが妙に羨ましかったり。

街ですれ違う男性が、女性が、妙に幸せそうに見えたりして。

 

 

昨日観た映画じゃないけど、ジョーカーみたいに笑いだしたくなる自分がいる。

 

 

別に毎日が楽しくないわけじゃない。一生懸命に生きてるしね。

でもね、ドラマチックな場面なんて、ドキドキ、ワクワクするような場面なんて訪れないわけですよ。

 

これが現実。

 

 

間違いなく楽しい事って、家の外にあるわけで、それを分かってるから、僕は誘いを断らない。

僕とお酒を飲みたいだなんて、嬉しいじゃないの。

他人と関わるのがおっくうなこの時代に、僕を誘ってくれるなんて、半分奇跡みたいなものですよ。

 

 

仕事の携帯に着信があった。

ランニングを終えて、痛みの消えない膝をアイシングしてるときだった。

もう19時を過ぎている。

「行きますよ!」これが僕の返事だ。

 

シャワーを浴びて、身なりを整えて、途中のコンビニでお金を下ろして、僕は待ち合わせの場所に向かった。

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5丁目の橋。これが待ち合わせ場所。

 

予定通りの時刻に僕は間に合った。

19:45分。

時間が中途半端なのだろう。人通りは少ない。

普通の人たちは、もう1件目のお店で盛り上がっている時間だもの。

 

 

橋の真ん中にはベンチがある。

そこに女性が一人座っていた。綺麗な身なりなのに、傍らにユニクロの袋を置いていて、それが妙にリアルに感じた。

 

この町では有名な繁華街の入り口にある橋の中央のベンチで、ちゃんとした女性が一人。

傍らにはユニクロの袋があって、しっとりと生活感も感じられて。

 

「なんか、いいなぁ」

凝視するのは失礼だから、視線の端に映る程度にブラブラしながら、待ち人を待っていた。

 

 

ここでドラマだったら、何かハプニングが起こって、「大丈夫ですか?」みたいな、いや、他の男に声を掛けられて、嫌がる彼女を助けるとか。

それともアレかな。「何見てるのよ!」みたいなところから、小さな口論になって、話してるうちに誤解が解けてとか、そんなパターンもありかも。

 

 

そんな妄想をしながら、まだ僕の待ち人は来ない。

夢だよね。理想だよね。こんなところから出会いが始まったなら。

 

40歳過ぎのおっさんが、女性に声をかける。有り得ない。

確かに最近ちょっとレクチャーを受けたけど、そんなの実践できる訳がない。

そもそも、僕に声を掛けられる女性の身にもなってみろ。キモイおっさんが、エロい目線で今日の酒のつまみを物色してるとしか思われないだろ。

 

 

でもどうだろ。今日の僕は戦闘モードの服装だ。なにせ繁華街だからね。

髪だって整えてる。短髪のツーブロックに整髪料をしっかり付けて。

財布や携帯だって、だらしなく持ち歩かないように、物がいいクラッチバックに収納して、自分なりにはスマートな容姿に整えたはずだ。

これで話しかけて、冷たい目線で返されるようなら、そもそも今後の僕には彼女なんて一生できないだろう。

 

自分が動かなきゃ、人生には何も起きない!

 

何度も時計を見て、僕が待ち合わせであることをアピールして。

橋の上をブラブラして、困った風なそぶりをして。

 

腕時計の針が20時を指した時。

 

 

「待ち合わせですか?」

 

やった!やってしまった!声を掛けてしまった!

42歳にして人生初体験!!

 

彼女は予想に反して沢山話してくれた。

仕事帰りの友達を待っている事。

1人で店に入って待ってようかと思ったが、時間が中途半端なので、このベンチに座っている事。

お店は決めてないが、これから食事に行く事。

県南出身である事。

「奇遇ですね。僕も県南出身なんです!!」

 

オフィスレディ?って今も言うのかな。

とにかくそんな感じの、落ち着いた女性で、でもしっかり笑顔でコミュニケーションも取れるタイプの人で。

 

本当に短い時間だったけど、会話が進んだ。

 

僕の頭はフル回転してて、こんな時、何を話せばいいのか分からなくて。

そしたら仕事の携帯に着信が鳴った。

待ち人来たり。

 

彼女に挨拶して僕は指定のお店に向かった。

 

 

 

誰か助けてください!!助けてください!!

彼女の連絡先を聞くのを忘れました!!

なんならこのブログ、見てるっていう奇跡をください!!!

 

 

ドラマは己の行動から始まる。

 

 

少しでも、誰かの心に響けたら!!

最後まで読んでいただき、ありがとうございます。