雨のち いずれ晴れ

ホントは寂しがりやのシングルファザーが叫ぶ! 誰かに届け!誰かに響け!!

子供が産まれて変わったこと

独身の頃の僕は、今では考えられないくらいヤバい男でした。

乱れていたというか、だらしなかったというか。

 

高校から付き合っていた女性がいましたが、その彼女の前では晒すことのできない、もう一人の自分がいました。

 

お金にも女にも、生き方にも、とにかく全てだらしなかった。

 

たとえば、この映画。

 はっきり言ってイカれてます。ヤバいです。

でも、当時の僕にとってはカッコよかった。こんな雰囲気を『カッコいい』と感じていました。

 

 

散らかったアパートに友達が遊びにきました。

床が散らかっていて足の踏み場もありません。

友達が飲み物を買ってきてくれましたが、テーブルの上も散らかっています。

そんなとき僕は、テーブルを傾けるのです。

ザーっと音を立てながら、テーブルの上の物は床に落ちます。

 

ハイ!テーブルのお片付け終了!!

って感じでした・・・・

 

まさに『トレインスポッティング』

乱れています。僕の心は乱れまくっています。

 

 

 

仕事で待ち合わせをしているような時も、急に眠くなり、時間の事など気にせずに仮眠を取りました。

約束の時間などとうに過ぎ、打ち合わせが消えてなくなるという現象を引き起こす魔法まで使っていました。

 

イカれています・・・

なにせ『トレインスポッティング』ですから。。。

 

ここでは書けないヤバいことも沢山ありますが、あとは皆さんのご想像にお任せします。

 

 

今思うと、僕はかなりヤバいやつでした。当時の感覚をまったく思い出せません。

こんな僕が激変するきっかけとなったのが、『結婚』したことと、『子供が産まれた』ことです。

特に子供の存在が大きかった。

 

『バカ親』に見られることは、子供が可哀そうだと思ったのです。

家の中が散らかっていては、子供の感性に悪いと思ったのです。

子供が僕と同じになっては困ると思ったのです。

 

あんなに乱れていた僕の心の中にも『良い事、悪い事、正しい事、そうでない事』の分別がしっかりとあったのです。

 

あんなに乱れ切っていたのに、どこからか『しっかりとした自分』が自然と湧きあがってきました。その感覚は今でも思い出せます。

僕が完全に覚醒したのは、たしか長男が言葉を発するようになってからだと思います。

目の前に存在する、自分とは違う子供という弱小な生き物を前にして、『守らなきゃ』という感情が芽生えました。

 

あんなに乱れまくっていた僕の心のどこに、こんな感覚があったのか。

それは、心のずっとずっと深い場所でした。

 

 

僕の育った環境は決して良い物ではありません。

家庭が荒れていたのです。

家族の、大人同士の喧嘩が絶えない家庭に育ちました。

僕ら子供の事などにかまってられるような父と母の精神状態ではありませんでした。今思えば。同居していたじいちゃんや、ばあちゃんもです。

家族全員で喧嘩していたのですから。

それはもう酷い物でした。

はっきり言って『全員死ねばいい』と僕は思っていました。

そんな環境で僕は育ちました。だから高校卒業と同時に、家を出たのです。

 

 

 

 

自分の子供が産まれて僕が感じた事。

自分の子供には、そんな思いはさせたくないって事です。

そして、そう感じると直ぐに、記憶に無いと思っていたものが蘇ってきたのです。

僕の父や母やじいちゃんやばあちゃんとの記憶が。

 

あんなに荒れていた僕の家族。僕のことなど無関心だったはずの両親や祖父母。

しかし、しかし、記憶の中に僕に対するしつけや優しさを感じる場面が、しっかりと残っていたのです。

喧嘩ばかりの記憶の合間に隠れていた、ほんのわずかな温かい出来事が。

 

僕が大人になるまで、ずっと『消えてなくなれ』と思っていた両親や祖父母。

それほど酷い環境の中の所々に、僕に対する『優しさ』が散らばっていました。

そのことが自分の子供と暮らす中で、蘇ってきたのです。

 

 

僕の生まれ育った環境は、決して良い物ではありませんでした。これは事実です。

しかし今の僕は、しっかりと生きています。一時期の乱れた感覚すら思い出せないほどです。

 

 

人間の心の中には、いつまでも、いつまでも幼いころの記憶が眠っていて、それが温かいものであれば、あるほど、何かの拍子に心の表面に浮上し、その人を体の内側から変えてくれる、支えてくれる力になる。

 

 僕はそのことを知っている。

子育てをしている方々にも伝えたいと思いました。

どんな環境にあっても、家族の温かさはいつまでも残っているものだと。

 

 

少しでも誰かの心に響けたら!!

最後まで読んでいただき、ありがとうございます。